◇◇ 自主独立 ◇◇【2002年1月5日に作成した<第206回>より】
NHKスペシャル「宇宙未知への大紀行・もう一つの地球を探して」を観て
●眠れる者よ起きよ!死人(罪)の中より立ち上がれ!
しからば、キリストは汝を照らし給わん(エペソ書5‐14)
神に大事にされ大切なる皆さんこんにちは、ご愛読に感謝します。
21世紀の私たち日本社会における最大テーマとして国家でも個人レベルでも
「自立」というキーワードを挙げる人がたくさんいるのではないでしょうか。
「自立」と言う言葉には辞書には次のように示されています。
◆自分以外のものの助けなしで、または支配を受けずに、自分の力で物事をやって
ゆくこと(岩波国語辞典)
◆他の力など受けずに、それ自身の力で物事を行い、ある状態を保ってゆくこと
(学習研究社国語辞典)
つまり、家族や隣人・社会になるべく面倒や迷惑をかけずに自力で生活を守り人生を
独り立ちすることが「自立」の最終目標であると考えられています。
一方で【キリスト精神】に基づく【自主独立】とはどのような状態でしょうか。
【自主独立】は何も自力のみで達成することが最終目標ではないと言えます。
【キリスト精神】に従った【自主独立】は神から託されたこの世での人生を最大発揮
させることが最終目的だと考えます。
つまり【魂:善意・良心】に従って心に浮かぶ【ビジョン:理想・夢・志】を大切に
して、世界でオンリー・ワンの自己の【タレント:個性・才能・可能性】を最大発揮
できる【使命・天職】を見出しチャレンジする事だと思います。
●独立とは必ずしも他の援助を断つということではなく、自己の有する全ての
実力を活用することをいう(内村鑑三)
話題作をたくさん創り続けているスピルバーグ監督のエピソードには興味深いものが
あります。
彼は幼い頃から父親の影響で映画を創っていましたが、常に周囲の支援に助けられて
きました。例えば、映画技術を学ぶために自力で大学を受験しますが、どこの大学も
勉強の成績が悪くて受け入れてくれなかったそうです。自力だけでは失敗します。
そこで、彼はユニバーサル・スタジオの見学バスツアーに参加して、スタジオ内に
入りこみます。そして自分だけ残って撮影現場を歩き回っていると資料室の管理者に
呼びとめられます。「君は誰だ!?」
スピルバーグは自分が観光客で来て将来は映画監督になるのが夢であることを正直に
話します。すると、その管理者は三日間有効の許可証を快く発行してくれたそうです。
それからの3日間は毎日門番の人に「許可証」を見せながら挨拶を交わしたそうです。
そして、その後1ヶ月間も門番に「ハイ!」と手を挙げて挨拶をしながら「顔パス」で
スタジオ内を自由に歩き回れるようになったのです。スピルバーグの人柄が良くわかる
エピソードです。
スピルバーグは自力だけで成功を手にいれたと誇るようなごう慢な人物ではありません。
それどころから有名になった今でも謙虚です。自分独りでできる事には限界がある事を
理解しているからです。
私たち全ての根源でもある宇宙の世界を観てもそのことは明らかだと思います。
現代科学レベルで少しだけ判明した興味深い研究成果がテレビで紹介されていました。
宇宙の誕生から現在まで150億年と想定されています。当初は水素とヘリウムしかなく
その後の星の死滅や衝突によってあらゆる物質の元素が産み出されていったと想定されて
います。つまり、常に新たな誕生には他の協力と犠牲がなくてはならないという証明とも
いえるでしょう。
特に、この世で貴重とされている「金」の元素の誕生にはスプーン一杯の量で50億トンも
あるとてつもない質量を持つ「中性子星」同志の衝突がなければ起こり得ない一兆℃もの
高熱でなくては産み出されなかったのではないかと考えられています。貴重なものほどに
産みの苦しみがあり、多くの協力と支援と犠牲が伴うといえるでしょう。
そこには【神の意志と計画】があり【神の愛】が存在しているのではないでしょうか。
●誠に実に汝等に告げん、一粒の麦も地に落ちて死なずば、ただ一つにて残らん。
もし死なば多くの実を結ぶべし(ヨハネ伝12-24)
つまり、私たち全てを構成している物質にしても150億年の長い間に多くの星の犠牲の上で
成立しており、自力だけでは生み出されない存在といえます。そして46億年前に太陽系が
ようやく誕生した想定されています。さらに地球に生命が誕生するのには多くの時と助けが
必要でした。
宇宙は広大で無数の星があって、私たちと同じような太陽は何億個も存在するので、地峡と
同じように人間のような高度な生命が存在する惑星も無数にあるはずだと考えれてきました。
ところが20世紀になって研究するうちに、地球とは宇宙ではとても希少な存在であることが
判明してきたのです。自ら光を放射する多くの恒星(太陽)が惑星に我々と同じような地球を
存在させるには、先ず惑星が円軌道でなければなりません。
しかし、多くの惑星は「だ円軌道」であって我々の太陽系のようではないそうです。
私たちの太陽系のように円軌道であるためには木星や土星のような巨大惑星を必要とします。
しかし、巨大惑星が3つ以上あると、たとえ地球が存在しても、やがて巨大惑星や太陽との
衝突を起こしてやがて消えてしまうのです。
また、巨大惑星が全くないとしたら、今度は巨大隕石の飛来を受けて、高度な生命の誕生は
不可能となるそうです。つまり巨大惑星の木星や土星のおかげで地球は彗星や巨大隕石との
衝突から守られてきたのです。衝突被害を1000分の1に避けてこられたと試算されています。
そして、さらに驚くべき事は、太陽系が誕生するために必要な塵とガスが絶妙なタイミング
で消失してくれたことで、地球の誕生を困難にさせる巨大な灼熱惑星の誕生が起こらずに
済んだというのです。
私たちの地球のように高度な生命も含んで3000万種もの生命を生み育てられるような惑星が
存在するのには、この広大な宇宙の無数の星にあってしても簡単ではないことが判明したの
です。言いかえれば、私たち地球というこの小さな存在を産み出すためにでも150億年の時と
無限の宇宙と無数の星の誕生と死滅の繰返しが必要不可欠であったともいえるでしょう。
私たちが個人として国家として、この世に自分が存在する間だけでも「自立」できたのだと
誇らしく思うことも良いでしょう。
しかし、私たちは誰一人として自力で大人になれた人はいません。同じように国家においても
自国のみで自給自足できる国家も民族も存在しません。誰かの助けなくして存在しないのです。
そして、何よりも最大の助けは主イエスであり神様であり、私たち全てはやがて神の下に帰る
のであると信じられるならば、この世で生きる目的も全く変わるかもしれません。
「カバの郵便配達人」で活躍される日系人のオザワ牧師は夢で観た話しとして次のように
教えてくれています。
神様は私たちにこの世で何を学びなさいと言っているのでしょうか?
神様を信頼しいつも祈ることでしょうか?
我欲をおさえて我慢する忍耐を学ぶ事でしょうか?
隣人に親切に施す善行を学ぶことでしょうか?
家族を大切にし愛することを学ぶことでしょうか?
神への信仰の力を学ぶ事でしょうか?
これらはどれも大切なことですが、神様が私たちに望む一番大事なことではないのです。
この世で学ぶべき一番大切なことは、神様が<最後の時>に私たちに質問するそうです。
「あなたは私(神様・主イエス)の愛を受入れる事を学びましたか?」
そうです、私たちは【神の愛】を受け入れることさえ学べば良いのです。【神の愛】は
私たちに自分らしく生きられるようにと【タレント:個性・才能・可能性】を託している
ことにも示されています。そして【魂:善意・良心】とは【神自身の声】ともいえます。
●良心とは;
人間の行いの善意を判断し、善を命じ、悪を禁じ、善をほめ、悪を戒める神よりの声
(カトリック要理より:ロマ書2‐15~16)
自分が思い描く【ビジョン:理想・夢・志】には私たち各自の望む道が示され、それは
神自身もまた望む事である【神の愛】が示されているともいえるでしょう。
●神は御意(ミココロ)を成さんために、汝等の内にはたらき、汝等をして
志望(ココロザシ)を立て、業を行わしめ給えばなり(ピリピ書2-13)
私たちは【神の愛】を受け入れた証明として、自己の【ビジョン】の実現を目指して
【タレント】を最大発揮できる【自主独立】にチャレンジすることではないでしょうか。
それは何も自分だけで自分が生きている間に必ずしも成功し実現させることではないと
言えるでしょう。過去の先人から受け継いだ【ビジョン】を後世に橋渡しする「明日に
架ける橋」になることこそ貴重な役割だからです。そして永遠から永遠に通じる道と
なるのです。そういった多くの人々の功績のおかげで、2000年前にこの世に与えられた
【福音】である【聖書:イエスの生涯と教え】のような崇高な理想や夢も現代にまでも
引き継がれ、天体の星のごとく、今もなお光り輝き続けているのです。
●正義の道には生命(イノチ)がある。その道筋には死がない(箴言12‐28)
●キリスト信者たる栄誉のひとつは、よわき取るに足らざるこの身をもってして、
なおも大望を抱いてその一部分を遂行しうるにあり(内村鑑三)
皆さんも自らの心に描く大いなる【ビジョン:理想・夢・志】の実現を信じて前進される
ことを心から応援しています。主イエスは貴方の目指す道を【神の愛】によって、いつも
正しく導いてくれるはずです。
●我等に臨む患難は多し、されど主は我等をみなその中より援け出し給う(詩篇34‐19)
それでは今日も明日も素晴らしい人生をお過ごし下さい。
May grace and peace be with your spirit.
Good luck & God bless you!
メイル歓迎します!
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田中 聡(さとし)