◇◇神の喜ばれる道:【使命・天職】 ◇◇
【2002年2月17日に作成した<第220号>より】
2002年2月16日(土)21:00NHKスペシャル「心をいやす魔法の国」を観て
●私はあなた方に悟りを与え行くべき道を教えよう。
私はあなた方に目を留めて、助言を与えよう(詩篇32‐8)
神に大事にされ大切なる皆さんこんにちは、ご愛読に感謝します。
神が望み命じる道である【使命・天職】を自ら発見するためには
多くの場合は苦難を経験して自己の無力と神なる【愛】を自覚する
【試練:神の導き】が必要であると私は思います。
皆さんの中にも観た方が多いとは思いますが、私はテレビで初めて
「ギブ・キッズ・ザ・ワールド(Give Kids the World)」の存在を
知って感動しました。
この施設は米国フロリダのディズニー・ワールドの近くに15年前に
設立されました。この「G.K.T.W.」は難病の子供とその家族の為に
独りのユダヤ人の【ビジョン:理想・夢・志】から産出された愛の
結晶です。
現在までに日本の3家族を含め世界49カ国の難病の子を抱えている
5万家族が無料招待されてきました。家族は1週間ここに滞在でき
安らぎと心が癒される素晴らしい体験と想い出を創れるのです。
「G.K.T.W.」は2LDK一戸建てタイプの96棟の宿泊施設を中心に
周辺には様々な子供向けのテーマ・パークもある子供の夢の国です。
米国のある調査では難病の子供の75%がミッキーマウスに会いたい
夢を持っているそうです。そこでG.K.T.W.は車で30分の場所にある
ディズニー・ワールドにも無料で行けて全ての施設は待たずにすぐに
利用できるように配慮される特典があります。
何故なら、難病の子供たちには残された時間はとても貴重だからです。
このG.K.T.W.を設立したのはヘンリー・ランドワース(74歳)さんです。
彼は1927年ベルギー生まれのユダヤ人で、6年間しか学校に行けず
13歳の時には両親と引き離されて強制収容所に連行されました。
父親は直ぐに射殺され、母親は終戦直前に亡くなってしまいます。
彼は13~18歳の間、強制収容所で過ごし何とか殺されずに生き
延びれたのです。終戦後、彼はアメリカに渡る事を決意しました。
彼はホテル・ボーイから始めて20年後には支配人になれるほどに
勤勉努力したそうです。そして、フロリダでリゾート開発に着手し
5つのホテルを所有するほどの実業家として見事に成功したのです。
そんな彼の人生を大きく変えたのは15年前の一本の電話でした。
その電話はホテルの予約をキャンセルしてきたものです。
彼はどうしてキャンセルしたのか不思議に思い確認してみました。
難病の子供エイミーとその家族がキャンセルしてきたのは予約の
日時に間に合わずに天に召されたからだとわかりました。
残念なことにエイミーの最後の願いはかなえられなかったそうです。
彼女の願いは、ただミッキー・マウスに会いたいだけだったのです。
ヘンリー・ランドワースはその話しを知って、とてもショックでした。
彼はビジネス界から身を引くことを決意します。そして、彼は直ぐに
難病の子供とその家族が憩いくつろげる施設を建設する事に挑みます。
彼は自分が本当になすべき【使命・天職】を発見したのです。
彼の少年時代のホロコーストの体験は、難病の子供の境遇と同じだと
実感したのです。死の恐怖に直面しても子供の自分では切り開く道が
ない難病に耐え忍ぶ境遇が収容所での彼の境遇と同じだからです。
●ある人の生涯における最大の日とは、その人の歴史的使命、即ち
神がこの世で彼を用いようとするその目的が明かにわかり、また、
これまで彼が導かれてきたすべての道が、そこに通じているのを
悟った日のことである(ヒルティ)
所有していたホテルを売却した全額で先ず20万?の土地を買います。
すると、彼の大いなる【ビジョン:理想・夢・志】に共感した企業や
個人が次々と資金・資材・労働力のために支援協力してきたそうです。
協力企業からは1000万~1億円の単位で年間14億円の寄付金が集まり
それで維持運営ができているのです。
彼は子供たちに話しています。
「私が事業契約したのは、初めの土地を買った時の一つだけです。
後の契約は一切無くお互いの握手だけで全てが決まったのです。」
彼の大いなるチャレンジは多くの人々の善意と【隣人愛】によって
維持運営されています。施設運営の正式スタッフは50名で、後は
全て無償ボランティア登録2000名の協力によって、30種類の
仕事が行われています。2年間先まで登録予約は決まっているほど
人気のある無償ボランティアとなっています。
難病の子供を抱える家族は治療費と介護の負担が重くて8割の家族は
一家で旅行をした経験がないのだそうです。G.K.T.W.はそんな家族に
は天国のような自由と平安を与えてくれる場所です。
多くの無償ボランティアの協力支援のおかげで寄付金の90%は家族の
招待費用に使うことができるで、時には1週間の滞在の為に100万円の
援助をすることもできるのです。
【隣人愛】に包まれた天国のようなこの場所では、難病の子供とその
家族だけでなく、無償ボランティアで参加する全ての人々にとっても
大いなる感動と喜びが得られる素晴らしい場所が現実になったのです。
ボランティアに参加している人は次のように語ります。
「ここは悲しみの場所でなく喜びの場所です。そして家に帰って再び
病と戦う勇気を得るための場所なのです。」
「ボランティアは分け合い与え合う事、ありのままの自分を提供する
ことです。」
●強いられてするのでなく、神に従って自ら進んでなし、恥ずべき
利得のためでなく、本心からそれをしなさい(ペテロ前書5-2)
●各自は惜しむ心からでなく、また、強いられてでもなく、自ら心で
決めたとおりにすべきである。神は喜んで施す人を愛してくださる
のである(コリント後書9-7)
難病の子供を二人抱えて11年前に訪れたホルマン夫妻には、その後の
人生を変えて【使命・天職】に導いた貴重な体験となりました。
G.K.T.W.を訪れるまで、独りで歩く事もできなかった息子が滞在して
二日目に楽しそうに立ち上がっているのを観て夫妻は驚いたそうです。
残念ながら8年前と3年前に二人とも天に召されますが夫妻には貴重な
想い出を心に刻む事ができたのです。夫妻は語ってくれました。
「想い出のおかげで生きてやって行ける勇気を得る事ができました」
夫のホルマンさんは、それまでの学校の先生を辞めて病院に勤め直し
カウンセラーとして活躍しているそうです。病気の子供と家族の為に
自分が体験したことで助け励ましたいからです。
さらに、チャリティ・ゴルフ大会を自らが企画して毎年寄付する事も
しています。今年は100万円も寄付できたそうです。ホルマンさんは
語ってくれます。
「二人の子供のおかげで、人生に何が必要かを教えられました。
得るもので生活を作り、与えるもので人生を作ることを。」
●受けるよりも与えることは幸いなり(使徒行伝20‐35)
●何を与えるかと言うことよりも、大切なのはどう与えるかということだ(ゲーテ)
●私たち一人びとりは、隣り人の徳を高めるために、その益を図って彼らを喜ばす
べきである(ロマ書15-2)
ランドワースさんはボランティアで訪れる子供たちに語ってくれます。
「多くの人がたくさんのお金をもうけています。しかし、お金の為に
自分の人生を変えないで下さい。お金を最優先しないで下さい。
一番大切な事はお金の有無に関係がない。それは、他の人のことを
考えてあげようとすること、他の人のために何かをする自分自身の
方法を発見し喜びを見出せるはずです。それは誰にでもできること
なのです。」
●我等は神に造られたる者にして、神にあらかじめ備え給いし
善き業び歩むべく、キリスト・イエスの中に造られたるなり
(エペソ書2‐10)
日本での勇気ある医者夫婦のチャレンジがテレビ報道もされていました。
最初、精神科医の夫婦には未熟児の子供が産まれました。しかし、すぐに
様態は死ぬか生きるかの一進一退の危機となり両親の神への祈りが通じて
子供は奇跡的に救われます。この時の貴重な体験を活かすためにも夫妻は
勉強し直して人手不足の小児科医となることを決心するのです。
夫妻には、この苦難が【使命・天職】を知る【試練:神の導き】だったと
私は信じます。
今では日本初の24時間診療するコンビニ小児科病院を開業しています。
「一人の子供も死なせない」という【ビジョン:理想・夢・志】を見事に
実現した夫妻です。
●驚くべき導きの、神の側からみた目的と直接の狙いは我々を
普通の卑近な意味で幸福にする事ではない。むしろ、恐れを
知らず、あらゆる良き行いをすすんでしようとする人、―
一言でいえば、― 英雄的な人にするためである(ヒルティ)
●我々は神の命じ給う道を歩いていれば日々その務めと力とが
おのずから与えられる。特にそれを得ようと思いわずらう事は
いらない。ただ、それを受け入れて実行すればよい(ヒルティ)
私たちも本当の【使命・天職】を発見するためには、苦難を覚悟して
【試練:神の導き】を克服し乗り越えて行かねばならないと思います。
そして、どんな苦難も試練としてマイナスをプラスに不可能を可能に
変える為に智恵と愛を与えてくれる【聖書・イエスの生涯と教え】を
私は皆さんに自信を持って紹介します。
●人が信仰によって救われるというのは信仰の結果によって救われる
というのではない。信仰そのものが既に彼の完全なる救済であると
いうのである(内村鑑三)
●それでもひたすら神に信頼し続けよ。そうすれば、まもなく、また
光と力を見るだろう。おまえが信じたものを、まのあたりに見て、
信じたとおりに成るであろう(バンヤン)
●我、神にありて新たなる力を獲てワシのごとく、翼を張りて登り
走れども疲れず、歩めども倦まざるなり(イザヤ書40‐31)
皆さんの個人的な決断によるチャレンジを心より応援します。
それでは今日も明日も素晴らしい人生をお過ごし下さい。
May grace and peace be with your spirit.
Good luck & God bless you!
メイル歓迎します!
cforum@tanaka.name
田中 聡(さとし)