◇◇ 志あるところに道あり ◇◇
【2002年7月5日に作成した<第258回>】
2002年6月16日(日)23:00テレビ東京「そして音楽が始まる:モルダウ」
7月4日(木)14:00NHK教育「科学タイムトンネル:ウエグナー」を観て
●求めよ、さらば与えられん、捜せ、さらば見出さん、門を叩け、さらば開かれん(ルカ11-9~10)
●求めよさらば与えられん、そしてあなた方の喜びが満ち溢れるであろう(ヨハネ伝16-24)
崇高でビッグな【ビジョン:理想・夢・志】を抱いた為に、自分の生涯には
世間的には認められず、または未完・未実現に終ってしまうことがあります。
しかし、どんな境遇にあっても、本人がくじけずに強く信じ望み愛し続けた
【ビジョン:理想・夢・志】ならば、神は望み通りに時にかなって実現させ
永遠の生命となって復活されることを私たちは知っています。
たとえば、あのバッハの名曲も、彼の没後百年後にメンデルスゾーンにより
世の中に復活されて永遠の生命となって、21世紀の私たちにも感動を与えて
くれます。
私たちはビッグでグレイトな【ビジョン:理想・夢・志】を自ら抱くも良し、
または、先人の偉大な未実現の【ビジョン:理想・夢・志】を復活させたり
継承することもまた素晴らしいチャレンジだと思います。いずれにしても、
すべては各自に託された【使命・天職】によって役割が決められていると
私は信じています。
最近のテレビ番組で、世界中で有名なスメタナの「モルダウ」が創られた
背景が紹介されていて感動しました。
ご存知のように、チェコの作曲家のスメタナが故郷を想う気持から創った
交響詩「我が祖国」の中の1篇としてモルダウ川の美しさを表現したのが
「モルダウ」と呼ばれています。
しかし、現在のチェコ人に「モルダウ」と聞いても誰も知らないそうです。
何故なら、「モルダウ」とはドイツ語でありチェコ語では「ブルタバ」と
呼ぶからです。
それでは何故、スメタナが作曲した頃にドイツ語で表記されたかというと、
当時のチェコはオーストリア支配下にあってドイツ語が公用語であって、
チェコ語は禁じられていたからだそうです。
独立運動にも参加したスメタナは晩年には精神的にも肉体的に病んでしまい
聴覚も失ってしまったそうです。そんな苦難の中で、愛する祖国の独立を
信じ望み創り上げた名曲が「モルダウ」なのです。彼は教えられなかった
チェコ語を独学で習得して、楽譜には「ブルタバ」と明記したそうです。
●望みて喜び、患難に耐え、常に祈れ(ロマ書12-12)
●望み得ないことを、なおも望み信じ続ける (ロマ書4-18)
彼の【ビジョン:理想・夢・志】であった祖国の独立は彼の生涯において
実現しませんでした。しかし、彼の没後100年後に見事な独立を果たし
世界中に感動と勇気を与えてくれたことは皆さんもご存知の事です。
以前このメルマガでも紹介したように、思想家・芸術家が中心となっての
無血革命なるビロード革命は音楽・芸術を愛する民族ゆえの勝利でした。
独立を目指して抵抗運動する地下組織の人々を勇気付け励まし続けたのは
スメタナの音楽であり、武装蜂起させないためにもリーダーはスメタナの
曲を流し続けたそうです。
●希望と愛が目指すものは、決して成就することのない完全性である。
それでもなお、固くそれを抱き続けるならば、人生の塩となり杖となる
(ヒルティ)
そして、毎年独立を祝う祭典「プラハの春」のオープニング曲には、必ず
スメタナの「ブルタバ(モルダウ)」が演奏されるそうです。
スメタナの【ビジョン:理想・夢・志】はチェコの独立のためだけでなく、
私たち世界中に平和を実現するためのメッセージとして生き続けています。
●信心の恵みは、善い希望と、つつましい忍耐で待ち望むべきである
(トマス・ア・ケンピス)
ドイツのA・ウェグナーの生涯も感動と勇気を私たちに与えてくれます。
彼は世界ではじめて大陸移動説を唱えた科学者ですが、彼の生涯にわたり
彼の学説は世間的には評価されないままに忘れ去られたのです。
彼は元々は気象分析研究者として活躍していました。気球に乗って観測し
滞空時間としては当時の世界記録を作ったほどです。
彼は小さなガラス球の地球儀をいつもポケットに入れていたそうです。
「地球の大きさに負けないような、大きなことを目指すんだ!」
彼の望みはビッグでした。その【ビジョン:理想・夢・理想】を神もまた
喜び応援してくれたことは間違いありません。
●あなた方は、さらに大いなる賜物を得ようと熱心に努めなさい。そこで、
私は最もすぐれた道をあなた方に示そう(コリント前書12-31)
それだけ地球を愛し地形を熱心に観察する内に、氷河が割れる瞬間を見て
ひらめいたそうです。大陸もまた同じように移動しているのではないかと。
まさに【インスピレーション:神の導き】であったといえるでしょう。
彼はただの気象学者でなく、地球の歴史を大きく塗り替えるような望みの
ビッグな【使命・天職】に神によって導かれたと思うからです。
●人は天から与えられなければ何物もうけることはできない
(ヨハネ伝3‐27)
早速、彼は気象学以外の考古学や地質学の分野においても熱心に研究して
大陸移動説の証明を試みます。
恐竜の骨の発掘分布ではアフリカ東部にしか見られない種類が南米西部でも
発見されていること判明します。また金鉱で有名な南アフリカと同じ品種が
アルゼンチンでも発見されるなど、どうやら以前は一つの大陸であった事が
証明されたのです。
彼は1912年に学会で正式に発表しますが、全く相手にされませんでした。
さらに不運なことに研究の継続が困難な事態となります。第1次世界大戦の
勃発で、彼自身も戦地に駆り出されたからです。
しかし、神は彼への特別な【使命・天職】をお見捨てになりませんでした。
戦地に行くと直ぐに負傷してしまい、自宅に帰されたのです。おかげで彼は
自宅で【使命・天職】である研究を再開する事ができたのです。
●人はその天職が終了(オワ)るまでは不滅なるがごとし(リビングストーン)
●衣食は天職の遂行に伴う必然の付随物であります(内村鑑三)
彼は研究成果として1915年に「大陸と海洋の起源」を書き上げました。
そこには、地球の初めには一つの大陸「パンゲア」が存在していたという
仮説を提唱したのです。
しかし、当時では海洋地底など未知の世界であり誰も信じてくれるものなど
いませんでした。
彼の生涯は探検地で50歳の誕生日を祝った直後に行方不明となって終ります。
きっと彼は彼の全生涯を正しく【使命・天職】に費やした褒美として、天国に
直接招かれたのだと私は信じます。
彼が唱えた「大陸移動説」は彼と共に1930年から一時的に忘れ去られます。
皮肉な事に1939年からの太平洋戦争のおかげで潜水艦が世界の海洋情報を
集めるきかっけとなり、やがて海嶺や海溝などが発見されるようになります。
そして、1950年代になって「プレート・テクトニクス」など海底地質学の
分野でようやく「大陸移動説」が正しかったことが立証され復活したのです。
●神と天然とはついに欺くべからず。威をもってするも、術をもってするも
神は遂にその意志を曲げず、天然は遂にその法則を更(アラタ)ためず
(内村鑑三)
●お前の意図に反しても、それは全くもう駄目というわけではない。
目前の感じによって物事を判断するのは間違いである(トマス・ア・ケンピス)
私たちも彼等先人の偉業に見習って、小さい事など無視してビッグに生きましょう!
そして、主イエスに信愛するならば、大いなる冒険も喜びと希望を見出せるでしょう。
●信仰は人によっては迷信のごとくに見える。信仰は確かに一種の冒険である。
これに従って、あるいは失敗におわるかもしれない。しかしながら、信ずる者は
信仰の迷信でないことを知る(内村鑑三)
●失望は不信なり、信仰は無限の希望を意味す(内村鑑三)
●たとえ困難がどんなであっても、我々は神の力によって、
これに対抗することはできるであろう。私は神のおかげで困難になれてきた。
神に信頼してまだ裏切られたことがない(クロムウエル)
●神があなたを遠ざける喜びよりもあなたを神(愛)へと駆り立てる苦難のほうを
好むようになるならば、あなたは正しい道にいるのである(ヒルティ)
皆さんがビッグな【ビジョン:理想・夢・志】に目覚めて愛と自由に満ちた冒険に
チャレンジされることを心より応援しています。
●勝つこと必ずしも勝つにあらず、負けること必ずしも負けるにあらず。
愛すること、これ勝つことなり。憎むこと、これ負けることなり。
愛をもって勝つことのみ、これ永久の勝利なり(内村鑑三)
それでは今日も明日も素晴らしい人生をお過ごし下さい。
May grace and peace be with your spirit.
Good luck & God bless you!
メイル歓迎します!
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田中 聡(さとし)