◇◇禍(ワザワイ)を転じて福(サイワイ)とする(その1)◇◇
【2002年5月27日に作成した<第250号>より】
2002年5月25日(土)11:00NHK教育「未来への教室:全盲の科学者バーメイ」
5月24日(金)4:00NHKラジオ「心の時代」を見聞きして
●患難は恩恵と離れて考えるべきでない。それは、患難は恩恵の一部なればなり。
塩味を和せずして甘味は甘味ならず、患難なくして恩恵は恩恵ならず、
食に薬味の必要なるがごとくに人生に患難は必要なり。患難ありて始めて人生に香味は生ずるなり(内村鑑三)
●命は恩寵のうちにある、夕暮れに涙が宿っても、朝明けには喜びの叫びがある(詩篇30‐5)
【神の愛=主イエス】に大事にされ大切なる皆さんこんにちは、ご愛読に感謝します。
無から有を産み出し、不可能を可能に、マイナスをプラスに、世間的には【悪・不完全】と思われる事を【善・理想】に変える事は【神の愛の事業】であるといえるでしょう。
●神はどんな悪も行われないようにするよりも、むしろ悪から善を生じさせるようにする方が善いと考えられたのである(アウグスティヌス)
●怨に酬ゆるに徳をもってし
憎に対するに愛をもってし
悪に対するに善をもってする (内村鑑三)
●悪に負けてはいけない。かえって善をもって悪に勝ちなさい(ロマ書12‐20)
世界を代表する貝の研究者のヒーラット・バ―メイさんの事をテレビで初めて知り感動し励まされ勇気を与えられました。
1946年に、彼はオランダ郊外の海の近くで生まれましたが、三歳の時に目の痛みを解消するために目を手術することになり、それ以来、視野を失ってしまいます。
目は不自由になっても、彼は3~4歳の頃から近くの海や自然をとても愛するようになったそうです。
両親は目の不自由な彼の将来を考えて、「より良い教育を」と考えて9歳の頃にアメリカのフロリダに移住します。
そんな彼の人生【ミッション:使命・天職】に導いたきっかけとは、10歳の頃に小学校の先生から見せてもらった「不思議な貝」との出会いでした。オランダの海では触れたことのなかった不思議な感触だったからです。
オランダのような北の海では表面が「ザラザラ」なのに、その貝だけは「ツルツル」の感触でした。その貝は南の海であるフロリダの貝だったのです。
それ以来、北と南の貝の不思議に疑問を抱きながら、そして貝の形の美しさに魅了されて行きます。
「自然が彫刻した貝の形は美しい。私にとって手に触れるには丁度良いサイズであり、
しかも種類が多い事が魅力なのです!」
バーメイさんは世間的には失明という【悪:ハンディ・不完全】でも見事に【善:夢の実現手段】に変えてみせた【神の愛】の実践者です!
●ただ彼の上に神の業の顕れんためなり(ヨハネ伝9-3)
彼は自然科学の博士号を取得するために名門エール大学への進学をも目指したそうです。
試験官は彼の入学をあきらめさせようとして、色々な貝の標本を見せて触感だけで、それが何かを当てるように命じたそうです。
ところが、彼は全部を正確に当ててしまいます。それだけで彼は入学を許可されたそうです。どんな貝でも手の感触だけで見分けられる彼の貝研究に対する愛と情熱は、並外れた天性の好奇心と探求心の証明でした。
現在の彼が世界で第一人者の科学者として活躍できるようになれたのは大学時代に研究助手となってくれた、のちの妻の協力があったからです。
研究助手として、彼女は専門書や科学文献を読んで聞かせ、バーメイが点字にタイプし直すという努力によって専門知識を蓄えて行ったのです。
しかし、彼は研究室の机で考えるだけの科学者ではなく、海の現場での観察を重視する人です。どんな危険な所にも手を突っ込んでみる事から、調査を始めるのですが、いつも同伴する妻にはできない事だそうです。
「どんなに困難であっても、どう生きているかを確かめるためには不可欠なのです。
指先で貝をみつめることも、目でみつめることも手段が違うだけで疑問を見つけるという点では同じ事なのです。目では発見できないことを見つけることだってできるのです。」
バーメイ博士にとって科学者になるために必要なものとは、好奇心と知性と一生懸命勉強する事だそうです。
そして、よく観察して疑問を抱き、知識は疑問の解明のために使いこなすことだそうです。
そして「解らない事に気づく事が科学の素晴らしさ」だと言います。
「疑問をもつことは素晴らしいことです!」
バーメイさんが科学者になれたのは、自分のマイナス面を考えないで、自分のプラス面である【ビジョン:理想・夢・志】を考えたからだと思います。
「私にはできないことがたくさんあるが、できることもたくさんある。私はできることを考える。」
そして、さらに素晴らしい事は、『できない事(見えない)』をも【最善のプラス】にまで転化させるほどに【タレント:個性・才能・可能性】を最善発揮させたことだと思います。
目の不自由という肉体的個性でなく、自然に対する愛好心や好奇心や探求心という【霊的な個性:天性】を大切したからこそ【神の愛=主イエス】は喜ばれ、祝福したのだと私は信じます。
バーメイ博士は貝の研究の意義を次のように語ってくれました。
「貝(の研究)は日常の生活にそんなに役立つことはないかもしれません。
しかし、ちっぽけな貝と共に生きていることを知れば、貝は地球を知るための窓であると私は信じています。」
たとえ世間的にちっぽけな存在の貝でも、詳しく生態を研究するならば、【神の愛】と【御心:意志と計画】の美しさを見出すことができます。バーメイさんも、素晴らしい感動と愛と自由を世に広め続けている【福音伝道者】です!
●神を捜し、神を見出せ(トインビー:使徒行伝17‐27)
●愛は霊としてこの世に満ち満ちている(ヒルティ)
●神は時おり、自然の出来事や自然の事物を通して、私たちに話しかけることもある(ヒルティ)
●この世における人間の主な目的は神の栄光をたたえ、永遠にわたって神をよろこぶことである(クロムウエル時代の簡略教理問答書)
★★【その2】につづく★★