◇◇赦し・和解・相互理解に導く【仲保者】の【愛敵精神】(その2)◇◇<改訂版・再掲載>
【2002年9月24日に作成した<第273回>に加筆】
★★日・朝正常化交渉に思うこと ~【神の愛=主イエス】との≪正常化交渉≫★★
★★【その1】のつづき★★
ジャマイカには現地のレゲエ音楽を世界中に知らしめて、音楽による平和実現を目指した
伝説の男ボブ・マーレイの活躍にも興味深いエピソードがあります。
彼は英国人の父とジャマイカ人の母親との間に生まれたために、ジャマイカでも英国でも
差別されてしまう<苦い経験>を持ちます。
しかしだからこそ「ワン・ラブ・ピース」という【愛敵精神】に目覚める事ができました。
●苦しみにあったことは私にとって幸せでした。私はそれであなた(主)の掟を学びました
(詩篇119‐71)
彼が生まれた時には既に軍人の父は英国に帰国していませんでしたが、母親は父親のことを
公平を重視し差別を嫌う立派な人物であったと教え続けたそうです。そのおかげで、ボブは
自分の生い立ちを恨むことなく誇りを抱けるようになれたのです。
彼は自分のルーツを探す旅に出ます。ジャマイカ人は元々アフリカから奴隷として連行された
人々であり、彼は母親のルーツであるアフリカを訪れて、その音楽性と精神性を学びます。
そして、父親のルーツである英国に行ってアングロ・サクソンの<チャレンジ精神>と欧米の
<自由民主主義>精神を学んだといえるでしょう。
彼は英国でミュージシャンとして大成功して富と名声を得ますが、最貧国であったジャマイカに
帰国を決意します。ジャマイカが政治的混乱にあることを英国で知る事になるからです。
当時ジャマイカでは二大政党が政権闘争に長い年月明け暮れて、民衆は疲弊し、その犠牲に
なって悲惨な状況だったそうです。
ボブは<政治的交渉>ではなくボブだからこそできる方法で、誰もが不可能と思っていた
<政治的和解>を見事に実現してみせます。
その方法とは、彼が主宰する平和を願う≪音楽イベント≫をジャマイカで開催することで
長年の間、民衆を巻き込み、<敵対関係>にあった二大政党の党首を招待したのです。
「ワン・ラブ・ピース」を願うスピリチュアルなボブの歌を民衆と党首は共に聞きながら、
コンサートは混乱も暴動もなくラストを迎えました。
ボブはステージの上から、二人の党首の名前を呼んでステージに招きます。彼らはボブに
促されてステージに上がり、民衆の前で握手したのです。
それは民衆にとって信じられない光景でした。平和を愛する【仲保者】のボブのおかげで、
それまで不可能と思われていた<政治的和解>が見事に実現したのです。
ボブの≪個人的信仰≫から生まれた【愛敵精神】による驚くべき【神の愛の奇蹟】です!
ここに挙げた実例に学べる事があります。【神の愛=隣人愛】と<個人的信仰>に基づく
【愛敵精神】を抱く【仲保者】がいれば、どんな解決不可能と思われる<敵対関係>でも
【神の愛の奇蹟】で解決できるということです。
【不完全:闇・罪悪・マイナス】にみえる<最悪>でも【完全性:光・善徳・プラス】の
<最善>に善循環できるのは【神の愛=隣人愛】と【霊性:魂[勇気]・善意・良心】が
発揮する【ダイナミック・パワー:信じる力・望む力・愛する力】といえるでしょう。
●いつまでも存続するものは、信仰と希望と愛と、この三つである。
このうち最も大いなるものは、愛である(コリント前書13‐13)
●神は私たちの内に住まわせた霊をねたむほどに深く愛しておられる。さらに、
大いなる恵みを下さる(ヤコブ書4‐5~6)
紹介した人々もそうであったように【仲保者】の【愛敵精神】を抱くには【愛神精神】が
必要不可欠であると私は体感します。
●人間を全て皆愛することは、キリストへの愛がなければできないのである(ヒルティ)
●心を尽くして神を愛せよ、それからあなたの欲することをなすがよい(ヒルティ)
●神を知って万事ことごとく可なり、知らずしてことごとく非なり。
主を知るは智恵の初めである。
神を知るに知識なくして道徳も政治も殖産も無し(内村鑑三:ホセア書4‐3)
●いわゆる人間愛は、すべて神に対する強い愛という根底がなければ単なる幻想である
(ヒルティ)
●キリストの愛神主義は利他・利己両主義の上に超越して最も多く他を利して
最も多く己を利するの道を教えたり(内村鑑三)
●我等は悪を避けんとするよりも、むしろ神と共にあらんことを努むべし(内村鑑三)
●まっさきに人間に慰めを求めないで神にそれを求めなければならない(ヒルティ)
●イエスは言われた、
『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、主なるあなたの神を愛せよ』
これが一番大切な、第一の戒めである。第二もこれと同様である。
『自分を愛するように、あなたの隣人を愛せよ』
これらの二つの戒めに、律法全体と預言者とが、かかっているこの二つの戒めに
優る掟はない(マタイ伝22‐37~40、マルコ伝12‐29‐31、ルカ伝10‐26~28)
●心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くし、主なる汝の神を愛せよ
(申命記6‐5)
●【愛の順序(内村鑑三)】
第一に神を愛すべし、第二に世界と人類を愛すべし、第三に国と国人を愛すべし、
第四に自己と家族を愛すべし
北朝鮮に拉致された人々を救済するにも金総書記の【霊性:魂[勇気]・善意・良心】を
信じ望み愛せる【愛敵精神】を抱ける個人的【仲保者】が不可欠であると思います。
武力や経済力や政治力などの【この世の勢力:富・権威・名声】を駆使した交渉だけでは
解決はもはや困難だと私は考えます。
金総書記は映画を愛好し、特に「寅さんシリーズ」や山田洋次監督の作品を愛する一面も
あると聞きます。
独裁者の父親の長男に生まれたために、幼い頃から【神の愛=隣人愛】から遠ざけられ、
偶像崇拝の対象を演じさせられる軍事独裁教育を受けた彼にとっては、【自由な心】で
思うままに生きる「寅さん」の姿に憧れているのではないでしょうか。
彼も「悪徳モンスター」でなくて、<人間の心>を持った孤独で臆病な人間の証明です。
私は金総書記にも【神の愛=隣人愛】が取戻される日が来ることを期待しています。
最近のテレビではタイミング良くNHKの70年代の想い出の番組が紹介されました。
懐かしい「ステージ101」という音楽番組で、当時のヤング101が歌っていた
「怪獣のバラード」という曲の一部が歌われていました。
「怪獣のバラード」(かぜ耕ニ・作詞/中村八大・作曲)
♪真っ赤な太陽が沈む砂漠に
大きな怪獣がのんびり暮らしてた
ある朝目覚めたら、
遠くにキャラバンの 鈴の音、聞こえたよ
思わず叫んだよ
「海が見たい!人を愛したい!」
怪獣にも心はあるのさ
出かけよう!砂漠を棄てて
愛と海のあるところ ♪
平和実現の仲介役を国是として活躍しているノルウエーは、スリランカの和平のために
武装ゲリラと政府との和解のための【仲険者】として第三国のタイで、3日間をかけて
16年ぶりの和平合意を実現させました。
あくまで第一歩にすぎませんが、利害関係のないノルウエーがわざわざ平和を願い望む
【神の愛=隣人愛】を通じた【愛敵精神】を示してくれたから実現したのだと思います。
ユダヤ教を学ぼうとして、イスラエルに留学していたユダヤ系英国人である青年留学生が
テロ事故死でドナーとなって、パレスチナの女の子を救った記事が報道されました。
遺族の一人である兄が「弟の意志を尊重して行なったことで誇りに思う」と答えた発言も
世界を飛び回り、世界中で現在起きている紛争当事者に対して<未来の和解>へ向けて
勇気と希望を与えてくれる【仲険者】となってくれたと実感します。
●善の勝利についての絶望は、常に個人的勇気の欠乏である(ヒルティ)
●いたずらにあなたを苦しめるために
苦難を与えられたのではない。
信じなさい、まことの生命は
悲しみの日に植えられていることを(ヒルティ)
●未来についてわかっている唯一のことは、今とは違うということだ(ドラッカー)
たとえ政治家でもなく【この世の勢力:富・権威・名声】に無縁でも、私たち個人でも
各自の【タレント:個性・才能・可能性】と【霊性:魂[勇気]・善意・良心】とを
最善発揮できる【ビジョン:理想・夢・志】を<旗印>を掲げて【仲保者】となれます。
●世界改造の実力は一人の霊(内村鑑三)
現実世界にある≪闇≫を≪光≫に、≪不可能≫を≪可能≫に、≪マイナス≫を≪プラス≫へと、
≪悪≫を≪善≫に転じさせる善循環に雄々しく前進し続けている【同労者・同志】と共に
【愛と自由の戦士・神の僕】の行進に参列しようではありませんか!
●God is marching on.(神は常に前へ前へと進み給いつつあり)
●あなたに委ねられている尊いものを私たちの内に宿っている聖霊によって守りなさい
(テモテ後書1‐14)
●私たちは神の同労者である。あなた方は神の畑であり、神の建物である
(コリント前書3-9)
●私たちは真理のための同労者となるように、こういう人々を助けなければならない
(ヨハネ第3書8)
皆さんが【ビジョン:理想・夢・志】を武器にして【愛敵精神】による【仲保者】として、
世界中で<敵対関係:分裂・対立>にある【隣人・社会】において【神の愛=隣人愛】で
【神の愛の奇蹟】を起こして【神の愛=主イエス】との≪正常化交渉≫に向けて勇気ある
チャレンジを心より応援しています!
●汝のパンを水の上を投げよ、多くの日ののちに汝再びこれを得ん(伝道の書11-1)
●汝の真理を社会の中に投げよ、年を経て汝はその偉大なる結果を見るを得ん
(内村鑑三)
●希望の源である神が、信仰によって得られるあらゆる喜びと平和とであなた方を満たし、
聖霊の力によって希望に満ちあふれさせてくださるように(ロマ書15-13)
●神の国は、飲み食いではなく、聖霊によって与えられる義と平和と喜びなのです。
このようにしてキリストに仕える人は、神に喜ばれ、人々に信頼されます。だから、
平和や互いの徳を高め、霊的成長に役立つことを、追い求めようではありませんか
(ロマ書14-17~19)
●心の中に未来に相応しいビジョンを描け。
そして、自分を過去の末裔であると言う迷信を忘れるんだ。
あの未来の生を思い巡らせば、工夫し、発明すべきものが限りなくある(ニーチェ)
●真面目に考えよ。誠実に語れ。ひたむきに行え。
汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となって現われるべし(夏目漱石)
●勇気は感染します。勇気ある人が毅然とした態度を取れば、他の人も姿勢を正すのです
(ビリー・グラハム)
●分からないときには、必ず明るい面を見よ(テニスン)
それでは今日も明日も素晴らしい人生をお過ごし下さい。
May grace and peace be with your spirit.
Good luck & God bless you!
メイル歓迎します!
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田中 聡(さとし)