【愛と自由の戦士・神の僕】であり、「カバの郵便配達人」として世界中を宣教活動で飛び回っている、オザワ牧師の<実体験>を紹介します!
■<ちょっと変わった天使>[『カバの郵便配達人』(ジョセフ・オザワ)より]
ある日、私がまだアメリカに住んでいた頃、公園の近くを歩いていると、
とてもさびしそうな男の人が座っているのが目にとまりました。
その人はとても汚い格好をしていました。
髪はもう何ヶ月も洗っていないようでした。
ぼろぼろの服からはひどい臭いがしていました。
彼は三角巾で片方の腕を吊っていました。
腕を折ってしまったのか、それともひどい怪我をしていたのでしょう。
彼の横にはワインの瓶がありました。お酒をずとノ飲み続けていたのです。
まだ、朝の十時だというのに酔っ払っていまし。とても暗い顔をしていました。
彼はいままで私が見た中で一番さびしそうにしている人でした。
孤独で傷ついた人だったのです。
私は彼の隣に座りましたが、彼は私を見ませんでした。
「こんにちは!」と声をかけてみました。
「はあ?」彼は少し驚いたようでした。そして私の方を向いて言いましたが、「何の用だい?」
私は聞きました。「何かお力になれることはありませんか?」
彼は自分の人生について話してくれました。
かつてはバスの運転手だったけれど、いまは仕事がないのだそうです。
彼には家族もいなければ友だちもいません。その上、転んで腕を痛めてしまいました。
お金も行く当てもなく、もう一週間もまともな食べ物を口にしていません。
いまはとてもみじめな気持ちです。
飲み過ぎというのはわかっているけれど、お酒をやめることができない、ということでした。
私は長い話を聞きました。長い間聞いていました。
彼がお酒をやめたいと言ったので、
本当にお酒をやめる、とはっきり告白することができるまで彼を励まし続けました。
そして、とうとう彼はワインの瓶を投げ捨てました。
私は彼の肩に腕を回し、祈っていいか、と尋ねました。
彼がそうしてほしいと言ったので、私は彼のために祈りました。
骨ばった弱々しい肩を抱き、神様が彼を愛してくださるように、
彼の人生を新しくしてくださるように、お祈りしました。
また腕がいやされるように、そしてそれより何よりも、
傷ついた心がいやされるように祈りました。
彼はしだいに笑顔を取り戻していきました。うれしそうに笑いました。
私は彼に持っていたお金を全部あげました。
そのお金で新しい服を買い、まともな食事を取るようにと言いました。
「あんたのお金を受け取ることはできないよ」と彼は言いました。
「どうぞ受け取ってください。僕よりもあなたの方がそのお金を必要としているんだから。」
彼はほほえんでお金を受け取りました。
「このお金で絶対にお酒を買わない、とう約束するよ」と彼は言いました。
私は彼の言葉を信じました。
その後も少しの間、私たちはちょっとしたことなどを笑いながら話しました。
そのうち、もうそこを立ち去らなくてはならない時間になりました。
私は立って歩き始めました。彼は笑って手を振っていました。
しばらくしてから、突然彼が叫びました。「ちょっと待って。ここに戻ってきてよ。」
私は彼の所に引き返して尋ねました。「いったいどうしたんですか?」
彼は言いました。「本当のことがわかったよ。あんたが本当は何者かわかったんだ。」
「何を言っているの?」と私が聞くと、彼は同じ言葉をくりかえしました。
「おれの目をごまかそうたってそうはいかない。あんたが本当は何者かわかったんだ。
あんたは天使だ。」
私が大きな声で笑い続けたので、彼は戸惑ってしまったようでした。
いままで私はだれからも「天使」などと呼ばれたことはなかったのです。
「僕は天使なんかじゃありません」と言いました。
「いいや、あんたは天使だ。」彼は反論しました。
「あなたは僕のような東洋人の顔をした天使を見たことがありますか」と、私が聞くと、
「いや、見たことはないが・・・・・・。でもおれはだまされんぞ。あんたは天使にちがいない。
ただたぶん、ちょっと変わった天使なんだ。それでも天使であることには変わりはない。」
私は聞きました。「どうしてそう言いきれるの?」
どうして彼が私を天使だと思ったのか、と考えました。
私がお金をあげたからでしょうか。
彼がもうお酒を飲みたくないと思ったからでしょうか。
それとも私が彼のために祈った時、気分がよくなったからでしょうか。
きっとそんな答えが返ってくると思っていました。
ところが彼はうれしそうに笑って言いました。
「だって、あんたは今年になってからはじめて私にさわった人なんだから。」
彼の笑顔はとても輝いていました。
そうだったのです。彼が何を必要としていたかを私はわかっていませんでした。
それはお金ではなく、
祈ってくれる人でもなく、
新しい仕事でもなく、
奇跡みたいにケガが治ることでもなかったのです。
彼が一番必要としていたのは、
ただ彼の肩に手を回し、ほんの少しの愛を表してあげることだったのです。
★★★
●受けるより与えることの方が幸いなり(使徒行伝20‐35)
●人が天から心を授かったのは愛するためにのみである(ボワロー)
●人に与えるということも、多くの偉大な事柄と同じように、ただ実地の練習を通じて学ぶものである。 しかし、一旦学んでしまえば、それは人生の最も大きな喜びの一つとなる(ヒルティ)
●何を与えるかということよりも、大切なのはどう与えるかということだ(ゲーテ)
●完全なる職業とは他人を喜ばせて、我もまた喜ぶの職なり(内村鑑三)
●もっとも素晴らしい贈り物は、自分の一部を与えることだ(エマーソン)
●人生の意義はあなたが人生から逃れることでなく、何を与えるかなのです。
これがわかれば人生は豊かになります(キング牧師)
●与えることは最高の喜びなのだ。あなたのかかわり方によって、それは変わってくるのだ
(ディズニー)
それでは今日も明日も素晴らしい人生をお過ごし下さい。
May grace and peace be with your spirit.
Good luck & God bless you!