◇◇【セカンド・チョイス】の時代~競争から共存へ(その2)◇◇<改訂版・再掲載>
【2002年5月15日に作成した<第247回>に加筆】
★★2002年5月9日(木)19:30NHK「クローズアップ現代」を観て★★
★★【その1】のつづき★★
最後に紹介したいのは先日のテレビで報道されていた、英国での新たな動きです。
それは、「フェア・トレード」と「ローカル・プロデュース」という価値観です。
欧米や日本の多国籍大企業を中心としたボーダレスの「自由貿易」の弊害として労働問題や環境問題や貧困問題など起きていることは皆さんもご存知の通りです。
99年のシアトルでのWTO会議に対するNGOによる抗議運動がきっかけとなり、さらにBSE問題や9・11テロ事件によって、英国では「自由貿易」とは異なる【セカンド・チョイス】としての新たな価値観である【フェア・トレード】が具体的に動きだしているのです。
【フェア・トレード(公平な貿易)】の目的とは生産者の<自立>を助け<共存共栄>を消費者の協力によって実現させる事です。
コーヒー豆・バナナ・ジュースなど現在は、まだ6品種がだけだそうですが、これから増加する傾向にあります。
英国の業界6位のコーヒー・チェーン店の紹介がされていましたが、日本でも同じように近い将来に導入されるようになると楽しみに期待しています。
チェーン店「カフェ・ダイレクト社」のペニー・ニューマン社長は4年前に「自由貿易」を基本とする多国籍大企業から転職して来た人でした。
彼女はコーヒー豆の生産地を訪問した時に、生産者としての適正な価格とはかけ離れた低価格で豆が買い取られている自由貿易の実態を知る事になります。
彼女は品質を高め維持するには生産者との関係を長く深くする必要を感じます。そこで【フェア・トレード】による生産者の自立支援をすることを決意します。彼女は同業他社の通常仕入れ価格の3倍でも成功する方法を生み出しました。
その方法は通常価格と別に【セカンド・チョイス】としてコーヒー一杯の価格に10ペンス(20円)上乗せした価格を消費者に選択してもらうことにしたのです。
上乗せ価格が生産者支援として使われることに共感できる消費者だけが選択する【フェア・トレード】を導入した事でかえって業績も好調に伸びているそうです。
さらに品質向上を生産者と共に目指すべく双方向コミュニケーションを密にして生産者の名前と顔入りのラベルを作り生産者を励まし誇りを持たせ、一方では消費者が何を求めているのかを情報として生産者にフィードバックします。
「生産者の犠牲の上に成り立つ巨大企業の時代は終ったのです。
自由貿易に替わる【フェア・トレード】は援助ではなくて貿易なのです。
そして、悪循環をなくしてみんなが幸せになる道を目指すべきです。」
彼女は大企業にいた頃は「ベスト・プライス」を目指していたのですが、現在は「フェア・プライス」を目指しているそうです。
●正義と公平(公義)を行なうは犠牲(イケニエ)よりも優りて主に喜ばれる(箴言21‐3)
もう一つ起きている現象とは、「ローカル・プロデュース」という考え方です。
日本でも多くの製造企業が労働力の安価な場所へと海外移転を実施しており、今は中国生産が世界の中心となりつつあります。
そのため、日本でも空洞化の危機が叫ばれています。
しかし、さすが産業革命の発祥の地である英国では新たな動きが起きています。
アーガイル模様で有名な創業180年の老舗ニット・メーカーPRINGLE社は2年前にキム・ウインザー社長となった時に、それまでの海外生産を国内地元の生産に切り替えるという大転換に挑み成功したのです。
生産拠点を世界20カ国50社に海外移転したことで、年間10億円の赤字を生み90%のリストラをも余儀なくされる悪循環にあった状況に疑問を抱いた彼女は伝統と確かなモノ作りへの回帰を目指す事にしたそうです。
生活者ニーズとして徐々に高まってきた、少し高価でも払う「本物志向」の人々に応えることを目指そうと考えたのです。
そこで、初めに着手したのはせっかくの伝統工場で行なっていた他社メーカーのためのライセンス生産を撤退して、より安い労働力でなく、地元職人の力を信じて自分たちで創り上げた商品を世界に提供する事にしました。
そして、伝統工場の高度技術と設備でしかできない仕事をすることで売上が一気に80%増加したそうです。高くても善いモノは売れるという自信を取戻したのです。さらに、9・11テロ事件後は本物の職人の本物が求められる時代へ加速したそうです。
グローバル化の中で「モノ作り」を改めて考え直す事で地元工場の職人を増加させ販売員やデザイナーなど全社員の誇りと情熱がよみがえったそうです。
企業の【ビジョン:理想・夢・志】は「自分に正直に、そして他と合わせない!」ことだそうです。
ここに紹介した【セカンド・チョイス】に共通する事は先入観や固定観念を脱して全ての【ビジョン:理想・夢・志】が生まれた根本思想への原点回帰であると思います。それは、「与えることの喜び」である【隣人愛精神】そのものであると思います。
●受けるより与えることの方が幸いなり(使徒行伝20‐35)
●全て人に為(セ)られんと欲することは、汝等神が汝等に為し給う如くに汝等また人にもその如くせよ(黄金律:マタイ伝7‐12)
●完全なる職業とは他人を喜ばして、我もまた喜ぶの職なり(内村鑑三)
●何を与えるかということよりも、大切なのはどう与えるかということだ (ゲーテ)
現在の政治・経済・教育・文化に見られる社会の悪徳腐敗の解決策のためには新たな視点・発想からの【セカンド・チョイス】を創り出すことも必要です。
これからの時代は国家よりも個人が世界で活躍できる個人の時代だと思います。
個人が【霊性:魂[勇気]・善意・良心】に従って選択する【セカンド・チョイス】が、これまで不可能と思われてきた多くの社会問題を解決する<最善の手段>となると私は信じ期待しています。
もはや既成の国家や【この世の勢力:富・権威・名声】にのみ頼り任せても解決できない事も、【神の愛=主イエス】が私たちに託した【ビジョン:理想・夢・志】と【ミッション:使命・天職】に、【パッション:受難覚悟の情熱・熱望・気迫】で解決の道を見出せるはずです!
【主イエス】が喜ぶ【神の愛=隣人愛】に見合う選択をする【セカンド・チョイス】は私たち各自に与えられた義務であるともいえます。
●実践的に言えば、人生の主要事は、常に自分の義務を行ない、これに反する心の傾向や異論をあまり気にすまいと、断固たる決意を抱く事である (ヒルティ)
●人は義務を果たさんために生きる(カント)
●義務とは吾人が他人に期待するところのものである(ワイルド)
【神の愛=主イエス】に近い【理想の道】を選択したい時【イエスの生涯と教え・聖書の言葉】は勇気と希望の≪エネルギー源≫であり、決断と実行に導く無限の【ダイナミック・パワー:信じる力・望む力・愛する力】と日々新たな【バイタリティ:生活力=生命力+活力】を与えてくれ、【霊性:魂[勇気]・善意・良心】を活き活きパワーアップさせてくれることを実感しましょう!ハレルヤ!栄光を主に帰します!
●神を知って万事ことごとく可なり、知らずしてことごとく非なり。主を知るは知恵の始めである(内村鑑三)
●神が私たちに求め給うのは、わたしたちと共にいますこと、神に心を寄せる者を見出し、その心を神みずからの霊によってさらに育て、かつ生き生きとさせること、これ以外の何ものでもない(ヒルティ)
●あなた方は、恵みにより、信仰によって救われました。このことは、自らの力によるのではなく、神の賜物です(エペソ書2-8)
●神の無限の力に頼りて我等は我等の信じるがごとくに全ての事をなすを得るなり(ピリピ書4‐13)
【神の愛=主イエス】のおかげで、老いて益々若い熱き【青年の心】を保て、心には常に【ビジョン:理想・夢・志】が満ち溢れています!
●あなたは知らないのか、聞いていないのか、主は永遠の神、地の果てまで創造された方。
疲れることなく、たゆむことなく、その叡智ははかり知れない。
疲れた者には力を与え、精力のない者には活気をつける。
若者も疲れ、たゆみ、若い男もつまずき倒れる。
しかし、主を待ち望む者は、新しく力を得て、ワシのごとく、翼を張りてのぼり
走れども疲れず、歩めども倦まざる者となる(イザヤ書40‐28~31)
●神は我をして我以上の思想を語らしめ、我以上の事をなさしめ給う。神に頼る我は小なりといえどもはなはだ大なる者なり(内村鑑三)
●イエスと共にある者は;
◆青春の詩的理想を持続することができる
◆単純にして一貫せる生涯を完全に遂行できる
★平民の友★自由の主張者★理想の追求者
にしてその
★実行者★大革命家★大詩人★大預言者
●青年、壮者とは;
常に不可能を計画する人
常に大改革を望む人
常に詩人的にして夢想する人
常に利害にうとき人
常に危険を感ぜざる人 (内村鑑三)
●キリストを神として拝するも我等の良心は少しも品性の堕落を感じません。のみならず、帝王を崇拝して自由を失い、富豪を崇拝して威権を隕(オト)せし国民もイエスを神として崇め奉りて、その失いし自由と独立を回復した例は人類の歴史に幾度もあります(内村鑑三)
●キリスト信者たる栄誉の一つは、よわき取るに足らざるこの身をもって、なおも大望を抱いて、その一部分を遂行しうるにあり(内村鑑三)
未来の<希望>となる【セカンド・チョイス】の【ビジョン:理想・夢・志】を抱き、【常時歓喜!不断祈念!万事感謝!】で、【神の愛=主イエス】と共に【ミッション:使命・天職】の実現に【パッション:受難覚悟の情熱・熱望・気迫】で活躍されることを
心より応援しています!
●心をこめないで言葉をさがすより、言葉をさがさないで祈りの中に心をこめる方がよい(ガンジー)
●心からの祈りによって、成し遂げられないものは、この世界にない(ガンジー)
●未来にむかって大いなる展望を与えてくれるような高所に立てば、時折、風が激しく吹きぬけても、一向(いっこう)に気にならないものなのだ(ワーズワース)
●未来は外からくるものではありますまい、未来は諸君らの裡(うち)にある(アンドレ・ジイド)
●未来!この未来を創造するものは諸君をおいて他にはないのです(ジイド)
●よき時代は天から降ってくるものではなくて、わたしたちが自分でつくり出すものです。それはわたしたちの心の中にあるものなのですよ(ドストエフスキー)
●未来は、“今、我々が何を為すか”にかかっている(マハトマ・ガンジー)
●世界はきみたちに大きく開かれている。どしどし遠慮なく進むがいい。
大地は広々とつづき、空は広大無辺にひろがっている(ゲーテ)
●今日(こんにち)の人々よ、若い人々よ、今度は君たちの番が来ている!
われわれを踏み越えて行きたまえ。そして前進したまえ。
われわれよりもいっそう偉大で、いっそう幸福でありたまえ(ロマン・ロラン)
それでは今日あも明日も素晴らしい人生をお過ごし下さい。
May grace and peace be with your spirit.
Good luck & God bless you!
メイル歓迎します!
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田中 聡(さとし)