◇◇ 不可能を可能にする愛の力 ◇◇
【2001年11月13日に作成した<第193回>に加筆】<改訂版・再掲載>
2001年11月9日NHK教育「ティーンズTV・FOR YOU『牛が教えてくれた』」を観て
●真理に逆らっては能力(チカラ)なく、真理に従えば能力あり(コリント前書13‐8)
【神の愛=主イエス】に大事にされ大切なる皆さんこんにちは、ご愛読に感謝します。
自分でなければ他の誰もできないようなオリジナルな発想や個性ある能力を発揮させるには、誰もが為し得ない前人未踏な分野でチャレンジすることだけではないと思います。
ノーベル物理賞を受賞された白川博士が興味深い発言をしていました。
「オリジナルな着想とは新たな視点で物事を考える事であって、他の誰もしないことを探すことではないのです。」
●独創とは起源に帰ることである。
神は人間を通して創造し続ける。
創造は神のものであり、人間はコピーしているにすぎない。
人間は創造しない、神の創造した自然界から発見するのである(ガウディ)
白川博士の場合にも「プラスチックは電気を通さないものだ」という従来の先入観や偏見や固定観念などを打ち破る<新たな発想>や<新たな視点>で物事を考えられたからこそ実現できたのだといえるでしょう。
●新思想とは;
★新鮮なる思想
★人に新希望を供する思想
★人に新生命を供する思想
★人に新計画を供する思想
★羽翼を張りて中天に翔(アガ}らんとする意欲を興す思想(内村鑑三)
【イエスの生涯と教え】に示される<【神の愛=隣人愛】の視点>で発想すれば、不可能とみなされている様々な世界中の課題も、オリジナルな着想によって解決されると信じています。
●愛は他のいかなるものにもまして人を賢明にさせる(ヒルティ)
●神を愛する者たちには、万事が益となるにちがいない(ロマ書8‐28)
●【最も貴きもの】
富と糧とに優って貴きものは知識なり
知識に優って貴きものは道徳なり
道徳に優って貴きものは信仰なり
信仰に優って貴きものは愛心なり(内村鑑三)
●【最大の能力(内村鑑三)】
確信と称する活動力ではない、信仰と称する一種の依頼心である。
これが世界を動かした力である。
先ず我の無能を覚って、しかる後に神の大能に頼る、かくて自己は死して
神、我にありて生きるに及んで、我は真個の勇者となる。
●【世界最大の者(内村鑑三)】
知識をもって腕力に克つべし
信仰をもって知識に克つべし
愛をもって信仰に克つべし
愛は進化の終局なり、最大の能力なり。
愛に達して我らは世界最大の者となるなり。
先日のTV番組では、北海道で乳牛を養う牧場主・出田さんの<理想の牧場>の実現を目指す新たなチャレンジが紹介されましたが、とても感動しました。
従来の牧畜では不可能と思われていたことを【愛の力】によって見事に実現させたからです。
現在58歳になる出田さんは子供の頃、貧しい家庭のために中学を卒業してすぐに造船所に就職したそうです。
出田さんの【ビジョン:夢・理想・志】は壮大なもので、造船所の工員では満足できませんでした。それは幼少時の貧しさゆえに飢えの悲惨さを実感していて食物の大切さを知ったことから生まれたものでした。
「人間として大事な仕事は人間の食糧を作る事だ。『飢え』があったら、人権もなくなってしまう。少しでも『飢え』のない社会を作りたい!」
そこで、出田さんは農学習得を目指して大学に入るために会社を辞める決意をします。
そして、1973年には夢に見た北海道の大規模酪農場に勤めます。
しかし、そこで現実を知って疑問を抱くようになったのです。そこでは乳牛が牛舎に閉じ込められて効率優先のためにひどい扱いを受けていたからです。
ご存知のように、現在話題となっている狂牛病を産み出した肉骨粉を食べさせるようなことにも酪農の効率優先の悲惨さが現われています。
出田さんには【霊性:魂[勇気]・善意・良心】に従った崇高な【ビジョン:理想・夢・志】がありました。人間を愛し、牛を愛し、自然を愛することで、実現できる【神の愛の事業】といえるでしょう。
たった独りからでも、彼は自分の【ビジョン:理想・夢・志】を実現させるための<理想の牧場>の実現を決意します。
【この世の勢力:富・権威・名声】に無縁で、実績もなく、名も無き出田さんにとって、好条件の牧場などありません。
1977年ようやく手に入れた場所は、広さは充分ですが、岩だらけで、斜面があって、条件が悪すぎる土地でした。
出田さんは当時を振返って語ってくれました。
「誰もあんなところでは酪農などしなかったでしょう。 しかし、私は資金も何もなくて、できる酪農を学んできたのです。だから私には好都合でした。」
そこは冬にはマイナス30℃を超える厳冬の土地でした。一般的常識では牛舎がなければ,酪農など絶対に不可能だと誰もが考える場所でした。
しかし、出田さんは牛舎を一切廃止した自然の中で乳牛を育てる放牧を目指したのです。
さすがの乳牛にとっても、冬は耐えられまいと出田さんは、栄養の高い食物や足には軟膏をぬって凍傷にかかるのを予防しようと努力します。
そんな乳牛の中で一部の牛だけは凍傷にならないで平気でいられることを発見しました。彼等の行動を観察すると、ひんぱんに寝場所を変えていることに気づきました。実はフカフカした新雪の上だとマイナス0℃以下にならないことが判ったのです。実際に新雪の中に手を入れてみると、暖かいそうです。
出田さんは雪を踏み固めることを止めて、いつも新しい雪をまくことにしました。
この【自然の摂理】の<新発見>によって、牛たちは凍傷から救われたのです!
天然は【真理=神の愛】が示される【第二の聖書】とも言われます。美しい雪が降るから、厳しい冬でも耐えられるという<新発見>は何と美しくて素晴らしい感動ではありませんか!ハレルヤ!栄光を主に帰します!
●神は愛なり、宇宙は愛の機関なり(内村鑑三)
●愛は神の霊としてこの世界に満ち満ちている(ヒルティ)
出田さんは誰も見向きもしなかった斜面の土地に種をまいて牧草を育ててみました。すると「のぼり坂」のおかげで牛たちの足腰が鍛えられて誰も病気にならないようになったそうです。
たった独りから始めた理想の<牛舎のない牧場>は、資金の無い出田さんには止むに止まれぬチャレンジでした。
しかし、そのことがかえってそれまでの酪農の固定観念や先入観や偏見を打ち破る<新たな視点>の新思想を産み出せたのです。
岩だらけで斜面や木々に覆われて、世間では牧草地に不向きと思われて、世間からは<棄てられた土地>が、大切な【コーナー・ストーン】となって、常に<新時代の価値観>を産み出させてくれることは【神の愛の摂理】です!
●家造りらの捨てた石が隅のかしら石になった。これは主のなされたことで、私たちの目には不思議に見える(詩篇118‐22、マタイ伝21‐42、マルコ伝12‐10、ルカ伝20‐17、使徒行伝4‐11、 エペソ書2‐20、ペテロ第1書2‐7)
●最悪のものでも、最高になる、勇気さえあれば(ブラウニング)
牛舎のない牧場では;
◆一日中牛が外にいられる
◆手間のかかる牛糞の人為的処理が不要である ⇔ 牧草地の肥料となって有効活用
◆斜面で足腰は鍛えられ、木々を切らずにおけば、日よけの役割を果たしてくれる
そして、牛舎内で一生を過ごさせられる通常の乳牛とは異なって、外で冬を越すために頭にワタ毛が生えたり、乳首に毛が生えたりするなど、野生を取り戻しているそうです。
おかげで、平均的乳牛の寿命よりも1.6倍も長生きして、たくさんの牛乳を与えてくれるそうです。牛たちはたっぷり昼間遊んだ後、夜8時ごろに乳絞りをしますが、牛たちが強制されずに自分から乳絞りの台に上がってる姿を観るとさらに感動させられます。
謙虚で愛情深く、信念と勇気ある出田さんは、いつも自然から学ぶ大切さを知っており、牛自身が教えてくれることを特に大切にしているそうです。
「先ずは不可能と言われてきたことを、牛に教えられて始めてきた。牛は正直だから、すぐに答えを出してくれるから楽しいのです。」
130頭いる乳牛たちには、全員にかわいい名前がつけられています。出田さんの評判を聞いて、今では多くの若者が酪農体験にやって来るそうですが、先ずは牛全員の名前を覚えさせることから始めるのだそうです。牛一頭一頭を知ることからはじまるからです。
出田さんのたった独りからのチャレンジが日本の酪農を大変革させるのです。
まさに、新時代の酪農の<先駆者>としての、出田さんの活躍は【ミッション:使命・天職】そのものだと思います。
「牛に助けられての25年間、理想の牧場がいつのまにか出来つつあります。まさに北海道ドリームだね」
出田さんは誇らしげに満面の笑顔で語ってくれました。
●完全なる職業は他人を喜ばして我もまた喜ぶの職なり(内村鑑三)
●偉大なことを成し遂げるのは、それ以外に為すことのできない人のみである(ヒルティ)
出田さんはいつまでもロマンを求める【青年の心】を持った人物でした。それは【キリスト精神】そのものです。
●青年、壮者とは;
常に不可能を計画する人
常に大改革を望む人
常に詩人的にして夢想する人
常に利害にうとき人
常に危険を感ぜざる人 (内村鑑三)
●イエスと共にある者は;
◆青春の詩的理想を持続することができる
◆単純にして一貫せる生涯を完全に遂行できる
★平民の友★自由の主張者★理想の追求者
にしてその
★実行者★大革命家★大詩人★大預言者
皆さんも、【神の愛=隣人愛】の<新たな視点>に立った着想や<新思想>によって、従来の価値観を打破した新たなチャレンジをされることを心より応援しています!そして、いつまでも素敵な<青春時代>をお過ごし下さい!
Good luck & God bless you!
●愛に生きる者には翼がある。喜びに溢れて走り回り、自由で、どこにあっても束縛を知らない。自分に与えられる贈り物には目を留めず、すべての賜物を越えて、それを与えてくださる方に目を向ける(トマス・ア・ケンピス)
●愛する優しい若者よ!
君の心には寂しさなど、ありえない!
私は祈る
君が、分別と剛毅(ごうき)と真実をもって
胸を張り、負けずに歩まれんことを!(スコットランドの詩人バーンズ)
●君の呼びかけに、だれも答えないならば
君よ、我が道を一人征(ゆ)け
皆が恐れを抱いて沈黙するならば
君よ、開いた心と恐れなき声をもって、ただ真実のみを語れ(タゴール)
●老いゆけよ、我と共に!
最善は これからだ。
人生の最後、そのために最初も造られたのだ。
我らの時は 聖手の中にあり
神言い給う「全てを私が計画した。
青年はただ その半ばを示すのみ。
神に委ねよ。全てを見よ しかして恐れるな!」と(ブラウニング)