◇◇「バリア・フリー」から「ユニバーサル・フリー」へ◇◇
【２００１年８月２０日に作成した＜第１７３回＞に加筆】
★★欧米から生まれた積極的社会支援に学ぶ【神の愛＝隣人愛】！★★
神に大事にされ大切なる皆さんこんにちは、ご愛読に感謝します。
世間的に認知される「障害者」というネーミングに個人的に賛同できないため、ここでは「受難者」と呼びます。
日本では「バリア・フリー」が高らかに叫ばれていますが、欧米ではもはや「ユニバーサル・フリー」が唱えられていると聞きます。
健常者から一方的に見て考えて判断した、受難者にとっての障害(バリア）を社会から取り除こうとする
【バリア・フリー】ではなく、全ての人間にとって快適な社会環境・社会システムの実現を目指すコンセプトが【ユニバーサル・フリー】であり、または【ユニバーサル・デザイン】だと私は理解しています。
例えば、日本の公衆トイレやデパートのエレベータでは受難者専用と健常者用を区別するような「バリア・フリー」が行われてきました。
しかし、この仕組みでは受難者と健常者の隔離政策のようなもので、せっかくの設備も受難者が使用しない時には誰も使えないので無駄になってしまいます。
そこで、考え出されたのが、共有できる設備である【ユニバーサル・デザイン】による【ユニバーサル・フリー】なのです。
例えば、「おはし」ひとつのデザインにしても、受難者専用のための研究開発では利用されるマーケットが小さくて取り組む開発企業がありませんでした。
しかし、「おはし」の利用者として、単に手の不自由な受難者だけでなく「おはし」を使うのが苦手な外国人や握力の落ちた高齢者のためにも使い勝手の善い「おはし」として考案した時には、市場性も十分見込まれて見事に便利な【ユニバーサル・デザイン】が開発されたのです。
最近のテレビ報道で日本での「介助犬」の活躍が紹介されていました。ご存知のように米国では「介助犬」は社会的に認知されていて既に３０００匹以上が活躍しているのに、日本ではまだ社会的には認知されておらす、盲導犬と同じように電車内や各施設内にも同伴できるまで公的には許されていないそうです。
そのため、わずか１０数匹が活躍しているに過ぎません。その彼等の活躍ぶりには感動と驚きです。車椅子で手の不自由な主人のために、電車の自動改札の出入りや高速道路や駐車場の自動改札の切符まで口でくわえる事ができるのです。また冷蔵庫の開け閉めや電話の受話器を取ったり戻したりなど日常のあらゆる手足となってくれるのです。
これからは人間だけが利用するのではなく介助犬や介助ロボットも利用する事を前提とした社会システムや設備や家電製品・日用雑貨の充実が必要かもしれません。
高齢化やロボットが普及するこれからは誰でも快適に過ごせる【ユニバーサル・デザイン】が必要不可欠だと思います。
これからの「モノづくり」や技術開発には、人間の都合だけでなく動植物・自然環境への暖かい配慮が不可欠であり、まさに【神の愛＝隣人愛】の＜視点・発想＞が重要となるのではないでしょうか。
技術大国日本を目指すならば、【ユニバーサル・デザイン】【ユニバーサル・フリー】にこそチャレンジしたらよいと私は大いに期待しています。
●絶えず、何かしら人々の役に立つ者になれ。そして、このような不断の高揚さをおまえの唯一の楽しみとせよ。しかも、時おり神性へ一瞥(イチベツ）を捧げる義務があることを忘れるな（マルクス・アウレリス）
大企業の下請け専門であった町工場でも新たなチャレンジが始まっていることを聞いた事があります。大企業からの受注が減り続けるために町工場では生き残りを賭けて今だからこそ、【自主独立】を目指す決断をしたのです。彼等には宇宙開発や最先端技術を支えるような本来非常に優れた技術開発能力のある板金や鋳型など各分野の町工場が結集して自分たちで新たな製品開発にチャレンジしたのです。
それは、従来よりも軽くて操作性に優れた「車椅子」の開発でした。今では収益も順調に伸びているようです。
●おのおの自分にことばかりでなく他人のことを考えなさい（ピリピ書２－４）
このように宇宙開発や時には兵器技術などで利用されてきた最先端技術を社会で心から望まれ喜ばれることに活用させることもまた【ユニバーサル・デザイン】【ユニバーサル・フリー】に通じる道だと思います。
●すべて真実なこと、学ぶべきこと、すべて正しいこと、すべて純真なこと、すべて愛すべき
こと、すべて誉れあること、また徳といわれるもの、称賛に値するものがあれば、それらの
ものを心にとめなさい（ピリピ書4‐8）
ＩＴ革命にしても、【ユニバーサル・デザイン】【ユニバーサル・フリー】の実現を目指す時には、人間でも、または動植物にも使いやすく、自然にも優しいシステム構築の実現となり、【神の愛＝主イエス】が喜ばれる＜神の愛の事業＞です！
理想的で心を豊かにさせる＜隣人愛＝神＞を目指して、現実的で物質的満足と経済的な＜富＞を目指す時代を越えて、＜新時代＞を切り拓きましょう！
●だれも神と富の２人の主人に兼ね仕えることはできない（マタイ伝6‐24・ルカ伝16‐13）
豊かでモノづくりを得意とする日本だからこそ、軍需産業や徴兵制に若者の肉体と精神が奪われない＜自由＞が与えられている平和大国日本だからこそ、真っ先に【ユニバーサル・デザイン】を目指して、世界で一番【ユニバーサル・フリー】な社会基盤を目指せるチャンスだと私は期待しています。
そして、何よりも日本が国際的に最も【宗教的・思想的フリー】であることが、世界平和の先進国である最大最善の条件であり、【ユニバーサル・フリー】の前提だと思います。
一方で日本は、社会的にも政治・経済的にも精神・文化的にも教育的にもすべて見直されるべき大変革の時代であると思います。この＜最大のピンチ＞こそが＜絶好のチャンス＞であることまた事実です。どの方向を目指すかは、現在の段階では私たち個人個人が＜自由＞に選択できます。
社会が混迷波乱・堕落腐敗している日本で、今再び、国家意識や伝統的な道徳観や愛国精神に立ち戻ろうと憲法・法律の改正や社会的規律・規制を強化したくなるのは理解できます。
しかし、ただ法律や拘束によるだけでは、表面的・儀礼的・形式的に美しく見えても、本心からの【愛・自尊心】は取り戻せないと思います。
社会全体を一気に強制的に変えようとするのではなく、自発的な個人から始まり、各自の自由意志と決断によって、【神の愛＝主イエス】に立ち帰ることで、いつのまにか社会全体が【神の愛＝隣人愛】と【自主独立：自由・独立】の＜自尊心＞で満ち溢れるようになることを、私たちは【主イエス】自身が示した＜福音伝道＞で理解しています。
現代日本社会が＜自由＞をもてあましているのは＜真理＞である【神の愛＝主イエス】を知る＜絶好のチャンス＞であり、ほんとうの幸福へ通じる道の途中にあると私は感謝しています！
●自由のあるところにのみ道徳は行われる（内村鑑三）
●世に幸福はあるが、我等はそれを知らぬ、知っていてもそれを重んじない（ゲーテ）
●この世において、真実の善良な生活をしようという勇気を彼等に取り戻してやらねばならない（ヒルティ）
私は今こそ【ユニバーサル・デザイン】により実現される【ユニバーサル・フリー】の社会の実現を日本が真っ先に国際的に宣言して目指すべきだと信じ期待しています。
そのためには、個人個人が各自の社会的立場から発言し実践して【ユニバーサル・デザイン】の創造・開発・普及を心がけることから始まるのだと思っています。
例えば、自分の利用しているサービス・消費財の提供者や企業・行政・生産業者や政治家・有識者・マスコミに積極的に提案したり、助言したり、【隣人・社会】を啓蒙・啓発することも一つの方法だと思います。
そして、それこそが【主イエス】自身が教え実践されていた【自由・平等・寛容・博愛】の精神に基づく社会の実現であると私は大いに期待するのです。
●キリストが心がけた事は民衆自身のことと一致する（ヒルティ）
●キリスト信者たる栄誉の一つは、よわき取るに足らざるこの身をもって、なおも大望を抱いてその一部分を遂行しうるにあり（内村鑑三）
皆さんが【ユニバーサル・デザイン】【ユニバーサル・フリー】のクリエイターや助言者となって活躍される事を期待し、心から応援しています！
●兄弟よ善を行い倦むことなかれ(テサロニケ後書３－１３）
●人はいつもただ善い事をしようと心がけるべきである（ヒルティ）
●あなたにゆだねられていることを守りなさい。そして、俗悪なむだ話と、偽りの「知識」による反対論を避けなさい（テモテ前書6―20）
●人間の無私の献身によって隣人たちの幸福を生み出したり、それを固めたり、また増進したりするためにはたらく時初めて真の人間、つまり神の似姿になり始める。ただ自分のために存在するならば、人間とは一体何であろうか（イスラエルの祈り：ヒルシェ）
ハレルヤ！栄光を主に帰します！
主の恵みに感謝します！アーメン！
それでは今日も明日も素晴らしい人生をお過ごし下さい。
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田中 聡（さとし）
