◇◇【神の愛の特使】=【ライト・スタッフ(適任者)】=【レイ・エキスパート】(その1)◇◇
【2003年6月29日に作成した<第308回>より】
●知恵のある者や賢い者に隠して、幼な子のような者にあらわした
(マタイ伝11-25、ルカ伝10-21)
●【神の力、神の知恵であるキリスト(コリント前書1‐26~31)】
◆兄弟たちよ、あなた方が召された時のことを考えてみるがよい。
人間的には知恵のある者が多くはなく、権力のある者も多くはなく、
身分の高い者も多くはいない。
◆それだのに神は、知者をはずかしめるために、この世の愚かな者を選び、
強い者をはずかしめるために、この世の弱い者を選び、
◆有力な者を無力な者にするために、この世で身分の低い者や
軽んじられている者、すなわち無に等しい者を、あえて選ばれたのである。
◆それは、どんな人間でも神の御前に誇ることがないためである。
◆あなた方がキリスト・イエスにあるのは、神によるのである。キリストは神に
立てられて、私たちの知恵となり、義と聖とあがないとになられたのである。
◆それは「誇る者は主を誇れ」と書いてあるとおりである
先日のテレビ番組で宗教と科学との掛け橋となっている学者の村上陽一郎さんが
興味深いことを教えてくれました。
それは、【レイ・エキスパート(lay expert)】というポジションです。
「レイ」とは「非専門家・しろうと」という意味合いがあり「エキスパート」は
ご存知の「専門家・熟練者」です。つまり、専門家でもないのに専門家に匹敵する
活躍をしてくれる立場をさすのです。
たとえば、医学界では医療従事者(医者)と医療消費者(患者)の間で役立ち活躍する
【仲保者:仲介者・メディエータ】の立場を指し示すのだそうです。
【神の愛=隣人愛】に見出され選ばれた【使命・天職】に生きる人々の多くもまた
【レイ・エキスパート】であることを私は実感しています。
【神の愛】から観るならば、私たち各自は【この世】に派遣された【特使】です。
●安かれ、父が私をおつかわしになったように、私もまたあなた方をつかわす
(ヨハネ伝20-21)
【神の愛=隣人愛】に選ばれるということは、この世で生命を受けた時に託された
【タレント:個性・才能・可能性】を最大発揮できる【使命・天職】に導くために
【神の愛】が私たちの【心】に働きかけてくれて【ビジョン:理想・夢・志】を
自然と抱くようにさえることから始まっているのだと実感しています。
後天的な知識教育や世間的に定められた資格や経験によって定められた専門家とは
異なった【先天的愛好家】こそが【レイ・エキスパート】になり得ると思います。
最近の番組でも【神の愛=隣人愛】に見出され選ばれた【レイ・エキスパート】が
様々な分野で活躍していることが紹介されています。
【神の愛=隣人愛】に見出され選ばれた【レイ・エキスパート】は世間的な権威や
資格に無縁であり、専門家でも学識経験者でもありません。
彼等に共通する事とは【最も貴重な動機】である【愛:愛好心・隣人愛】に基づき
自発的に動かされていることです。
●【最も貴きもの】
富と糧とに優って貴きものは知識なり
知識に優って貴きものは道徳なり
道徳に優って貴きものは信仰なり
信仰に優って貴きものは愛心なり(内村鑑三)
●最善の労働者とは最も多くの仕事をする者でなくして
最も貴重な動機をもって仕事をする者である(二宮尊徳:内村鑑三の言葉より)
●愛は重荷を感ぜず、労苦を顧みず、自分の力以上のことを行ないたがる
(トマス・ア・ケンピス)
●野心からも、単なる義務感からも、本当に価値あるものは生まれてきません。
本当に価値あるものは、むしろ、人や事物を深く愛する心から生まれてくるのです。
(アインシュタイン)
●意図には素直さを保ち、愛情には清らかさを保つべきである(トインビー)
たとえば、6月22日(日)「宇宙地球号」で紹介された感動話は【神の愛=隣人愛】に
選ばれた【レイ・エキスパート】であり、【センチネル:神の召された番人】です。
きっかけは夫がペンション経営をするためにと移住した白馬の土地だったのですが、
そこは今ではとても希少な【片栗の花園】だったそうです。
やがて、バブル景気により白馬高原の【片栗の花園】にまで開発の波が訪れたのです。
夫婦は体当たりで【片栗の花園】を死守する運動に起ち上がり、見事に成功します。
さらに私たちに勇気と感動を与えてくれる事は、自然を何よりも愛好して信頼できる
夫に先立たれた妻が、亡き夫の【ビジョン:遺志】を受け継いで【神の愛の事業】を
実践し続けていることです。
妻は誰に頼まれる訳でもなく、特別な資格や学識のある専門家や経験者でもないのに、
ただ【神の愛=隣人愛】ゆえに、【片栗の花園】を育成し、そこにしか生息できない
貴重な品種であるギフ・チョウをタマゴから守り育成し保護しているのです。
全ては【レイ:非専門家・素人感覚】で多くの失敗を重ねながら現在では毎年300個の
タマゴを自宅で保護し育て幼虫からチョウに成長させる人工飼育に成功したのです。
世間的には昆虫学者や植物学者とは無縁であった彼女の偉業は【愛】ゆえの衝動から
専門家にもできなかった【神の愛の事業】を実現することにより、専門家・学者をも
【新思想・新発見】に導いてくれる【先駆者】となったのです。
●神がひとたび人間の意志を所有されるならば、神はその人の中でみずから全ての
ことを行ない、彼を完全へと導き給う(聖女カタリナ)
沖縄の各地には未だに沖縄戦の遺骨が残されままだそうです。北海道に暮らす一人の
遺族が60歳を過ぎてから現在まで13年間、兄の遺骨収集へと夫婦二人で起ち上がり、
600を越す遺骨を探し出して彼等を供養しているドキュメントが放映されていました。
初めは兄の遺骨収集のために、夏の数ヶ月だけ沖縄に滞在して遺骨を探していたのに
多くの遺骨が野ざらしに放置されていることを知って、彼等に終戦を迎えさせたい!
という【ビジョン】を抱いたそうです。
●しいられてするのではなく、神に従って自ら進んでなし、恥ずべき利得のためで
なく、本心からそれをなしなさい(ペテロ第1書5-2)
誰に頼まれたわけでもなく功名心でも野心でもない、井上夫婦による【愛の偉業】は
これまで国家で行なった遺骨収集の3分の1にもなるそうです。
井上夫婦は危険で誰も近づけないような崩れかけた壕の中にも平気で入って行きます。
そして、専門家のように骨を観るだけで、どんな最後を遂げたかまでが解るのです。
テレビ取材のおかげもあって、感動的な50年ぶりの遺族との再会も実現できたのです。
多くの遺品回収も行なってきたのですが、その中に小さネーム・プレートもありました。
自分たちの兄の遺骨には出会えませんが、せめて、この小さな遺品だけでも遺族の元へ
帰ることができればと、ずっと願っていたのです。
神は井上夫婦の願いを時にかなって実現させました!ハレルヤ!栄光を主に帰します!
7歳で死に別れた娘は健在で、軍医であった父親の遺品と50以上たって再会したのです。
井上夫婦は「自分たちの(13年間の)努力が無駄でなく少しでも役に立てれば嬉しい!」
まさに、井上夫婦の偉業は【愛】ゆえの【完全なる職業:天職・使命】であり、全ての
【悪循環】を【善循環】に替えてくれる【愛の奇蹟】です!
●善良で温厚な人物は、すべてを善に転じさせる(トマス・ア・ケンピス)
●知識は人を誇らせ、愛は人の徳を高める(コリント前書8-1)
●愛は他のいかなるものにもまして人を賢明にさせる(ヒルティ)
●完全なる職業とは他人を喜ばして我もまた喜ぶの職なり(内村鑑三)
●愛は勇気の基底なり。人の善を念(オモ)うて後に我等はその人に対して大胆に何事も
なすを得るなり(内村鑑三)
●【健全なる思念】
事業の困難を思うべからず、また我の弱きを思うべからず。
神の全能なるを思うべし、その恩恵の無限なるを念ずべし。
さらば、事業の困難は失せて我等は強き者とならん(内村鑑三)
★★【その2】につづく★★